Twins' Room
1.ふたごの出産まで
2. アメリカでの子育て
3. 教会のボランティア・プログラム
4. 日本とアメリカのTVプログラムの違い
ふたごの妊婦は何もかも大変です。つわりは長いし、お腹は痛いし、予想しないトラブルはあるし・・・。
妊娠初期(〜3カ月)
9月末の2回目の検診で、ふたごと判明。医師の「ふたごちゃんですね。」の一言で、頭が真っ白になる。もちろん、うれしかったが、この時点で、翌年からアメリカで暮らすことが決まっていたので、やっていけるかどうかの戸惑いが大きかった。10月中旬(2カ月目)からつわりが始まる。魚を受け付けず、カレーやスパゲッティなど、子供が好きそうな洋食系、または酸っぱいものを好む、仕事は続けていた。妊娠中期(4〜7カ月)
4カ月目に入るとマタニティー・ドレスを着る。二人分なので、お腹はもちろん大きめ。
5カ月、犬の日の前日の、通勤帰りに、お腹が急に痛くなる。パパと一緒に夜間の救急病院へ。心配したが、ふたごは大丈夫とのこと。翌日、あらためて病院へ。子供達が急激に成長しているので、子宮が付いてゆけず、収縮しょうとするために痛くなるとのこと。張り止めの薬をもらい、自宅安静となる。このため、仕事は急に止める。就寝中でも、張り止めが切れる3時間ごとに、お腹の痛みが始まり目がさめる。痛さは、こらえるために奥歯をかみしめるようなくらい。食欲はない。レモン水とヨーグルトが食べれる程度。ほとんど食べていないのに、1日に数回、吐き気を催す。このような時期が、12日間続き、ほとんど寝たきり。その後も、張り止めは服用し続けるが、痛みは収まる。お腹は、さらに大きくなり、つわりはまだまだ続く。
妊娠後期(8カ月〜)
8カ月。パパに付き添ってもらい、大阪から千葉に移動。食欲が少し戻る。妊婦湿疹が全身にでて、痒さのあまり眠れない。産婦人科と皮膚科に通うことになる。お腹の大きさは、8カ月で、普通の妊婦の臨月並み。歩く時には服の上からさらしをつかみ、持ち上げながら歩く。
9カ月。子供の重みのため、股関節が痛くなる。トイレに立つのがやっとの有り様。顔や手は、妊娠以前よりやせたのに、腹部だけが異常な大きさ。まるで、女王蟻か女王ハチの様だ。
10カ月。お腹は、また、目立って大きくなる。妊娠中毒症にもならず、順調。1人が逆子のため、自然分娩は不可能と言われ、5月14日に帝王切開のための手術が決まる。5月13日に入院。38週での出産。りー、2258g。ちー、2284g。数日間、保育器にはいるが、順調に育つ。母胎の方は、出産の前までに10Kg太って、その後は、10Kg体重が減っていた。(写真は、9カ月目)
子育てをする環境としてアメリカをのぞいてみると、子供にたいする社会の義務のようなものを感じることがある。これは、日本ではとうてい感じることが無かった事のひとつである。表現が適切かどうかは分からないが、子供は disability を持つ「ひと」(人格を有する個人)としてとらえられているようで、社会的に保護される対象となる。このためか、子供 を連れて歩いているとあらゆるところで親切にされる。
子供をそだてる環境として、生活の環境にまで注文がつき処罰の対象となる。交通法規では、スクールバスは絶対優先であるし、スクールゾーンでは想像以上の低速走行を要求される。これらの事は、子供を将来の社会を担う社 会の財産と考え、社会には子供を「ひと」として保護し育てる義務があるとすれば、当然のこととも思える。一 方で、あくまで「ひと」として扱われ、中・高生の犯罪などには厳格な処罰が下ることも希ではない。
出産 普通分娩の場合、子供が産まれてから退院までは意外に早い。何も問題のないお産であれば、大抵、2日ほどで追い出される。帝王切開でも、長くて、1週間くらい。
ミルクアメリカでは粉ミルクをフォーミュラと呼んでいる。Enfamil(HP;Enfamil Welcome Page)やCarnation(HP;First Year)などがあるが、Carnationの「good start」の味が日本の粉ミルクに近い。缶入りの液体フォーミュラも販売しており。旅先のお湯を手に入れにくい所で便利。With Ion と low Ionの表示があるものがあるが、最初の3〜4カ月まではlow Ionのものを、その後はWith Ionのものをあたえる。牛乳も、ビタミン添加、ロー・ファットなどの種類がたくさん。普通の牛乳を探すのは大変。
子供用カーシートの使用義務退院の日から必ず必要になるのがカーシート。これの使用は義務化されている。退院時に用意していないと子供を渡してもらえないとか。州によって異なるが、大抵、2歳までは着用を義務づけられている。1歳くらいまでの、乳幼児用(約30〜50ドル)(写真)と、2歳から4歳(約80〜150ドル)くらいまでのものがある。evenflo(HP;All Around Town) などのメーカーがある。日本のものと比べると格段に安い。
幼児用のカーシートは車以外でも便利。赤ちゃんのキャリヤーにもなるし、ふたごの同時授乳には最適でした。
2ベッドルームが必要子供ができれば、住む場所にも注文がつく。少なくとも2ベッドルーム以上が必要。州によって規定が違う。アパートを借りているときは、管理人から注意を受けることもある。 離乳食 Table Foodと呼んでいる。主にペースト状のたべもの。50mlくらいの小さな小瓶に入っており、電子レンジで温めてから食べるもの、そのまま食べられるものなどがある。戸外で、瓶のふたを開けてそのままスプーンで与えている姿をよく見る。粉末のものをお湯でとくタイプのものは見かけない。こどもにより、受け付けない場合もある様子。どうしても、日本のものを手に入れたいときは、知人に頼み郵送してもらう以外ない。Gerber社(HP;Welcome to Gerber)から出ているものが一般的。
紙おむつなど
紙おむつ(diaper)はいろいろなメーカーから出されており、価格帯は比較的幅が広いが、高くても日本の一般的な価格の半額くらい。基本的デザインには大差がない。メーカーにより外側の素材や吸収体の量が多少異なる。香料が着いているものがほとんど。日本人には少しきつい臭いに感じることもある。香料の添加は日本の製品では限られたものにしか見られないし、付いていても比較的弱い香りのようだ。たとえば、ジョンソン社のベビーローション・オイルは日本のより香りが強い。お尻ふきは、日本の製品のように一枚ずつ取り出せるようなものはない。プラスティックの蓋つきの箱に湿らせたティッシュがまとめて入っているような格好。リフィルもある。
Primary care physician 日本では家庭医制度と訳され、一般に知られているが、この「家庭医」は少し狭い意味。かかりつけ医制と呼ぶのが、実際にふさわしい。患者を最初に診る医師を、あらかじめ決めておく制度。この仕組みは、保険と関連が深い。たいていは、保険に加入する段階で医師の選定をおこなう。選べる範囲があらかじめ決められており、その中から、好みの医師を選ぶ。医師の変更は可能。Primary care physicianとして、一般・家庭医(General, family practicer)・内科専門医(Internist)・小児科専門医(Pediatrician)のいずれかを選ぶ。Primary care physicianが専門医による治療が適当と判断した場合、専門医を紹介してくれる。患者の病状を記したカルテと紹介状が先方に送られる。毎回の予約の際にこの紹介状(reference)があらためて必要となるので、Primary care physicianに郵送かFaxを頼む。これが無い場合、保険によるカバーがされない。 薬 医師にかかり薬が必要な場合、処方箋をくれる。医院では薬をくれず、薬局に行ってもらう。処方薬局は、スーパータイプの薬の専門店やグロサリーストアーの中にある。長期的に薬の使用が必要なときなど、医師があらかじめ処方箋にリフィルの回数と量を記入している場合には、薬局に電話するだけで、リフィルの分を用意してくれる。
保険保険は買うもの。保険が、受ける医療サービスの質を決める。雇用先のグループ保険であれば大抵は安心できる。家庭医の決め方で幾つかのオプションがある。一般的な健康保険には、目、歯の保険は含まれない。参考として紹介できるのはNYLCare(HP; NYLCare Health Plans - Health Benefits Information)。
予防接種予防接種は生後1カ月から始まり、約1年続く。ほぼ毎月、指定した家庭医の所に行き、接種を受ける。接種場所は主に、足、太股。有料であるが、保険に加入していれば、一回のあたり、10ドル(ふたごなので、計20ドル)。同時に身体測定等を行う。接種の内容は以下の表の通り。中には、任意のものもあるので、医師と相談して決める。日本で接種した記録があれば、それを英訳して持って行く。口頭で伝えるだけでもかまわない。接種のスケジュールは医師に相談する。日本での予防接種は生後3カ月あたりからはじまるので、それ以前に渡航となれば、何もしていないことだけを伝える。


通信販売
買い物に出かけることさえ困難を感じ、行動を制限されるふたごのママの場合、通信販売は強い見方。この点、アメリカは大変充実している。日用品をわざわざ通販する必要もないが、コーヒー豆からコンピューターまで手に入る。ちなみにMacコンピューターとその周辺機器、ソフトは通販を利用するのが一般的。注文は電話やインターネットでする。注文から2・3日から1週間で手元に届く場合が多い。気に入らなかったり、商品に不都合がある場合は返品が可能(ただし、14日以内)。以下に、一般によく利用される通販のHP。
教会には、外国人に対して何らかの奉仕、手助けをしてくれるプログラムを持っている場合がある。主に英語を教えるクラスと手芸などを教えるクリエーティブ・クラスに分けることができる。両者ともに基本的には無料であるが、クリエーティブ・クラスでは材料費が必要となる事もある。大抵は、週に1度、英語クラス、1時間、クリエーティブ・クラス、1時間の計2時間のプログラムとなる。(図は、ある教会のスケジュール表。9月から約半年間の、ボランティア・プログラム。)
クラスを受けている間は、託児所(nursery)に子供を預けることになる。この点、子供を持つ母親にも参加しやすくなっている。託児所の料金は、各教会によって異なり、無料の場合もある。行き付けの所は、1人あたり3ドル、ふたごを預けるような場合にはディスカウントがあり、計5ドルとなる。子供には、簡単なスナックなどが出される他、工作なども教えたりしている。たとえば、小犬の壁飾りや、クリスマスの時期には、簡単なリースやトナカイのキャンディー・ケースなどを作ったりする。私たち自身も、育児から離れてリフレッシュできるし、子供たちも他の同じ年頃の子供達と遊んだりする良い機会となっているようだ。
このほか、託児所ではこのクラス以外の曜日と時間帯で子供を預かってくれる事がある。マザーズ・デェイ・アウト(mother's day out)と称するサービスは、平日の日中、10時から2時までの間で利用ができる。買い物などのちよっとした外出に便利である。また、キッズ・ナイト・アウト(kids' night out)と称するサービスでは、午後6時から9時半までの間に託児所を利用できる。クリスマスなどのシーズンにあわせたもの。このようなサービスは、もちろん有料となり先に述べた場合に比べると、若干割高であるが、費用の設定はきわめて良心的な範囲である(たとえば1人6ドル程度)。
私たちもキッズ・ナイト・アウトをクリスマス・ディナーに利用した。アメリカに住むようになって初めての外食と落ちついた時間を楽しむことができ、大変良かった。もちろん、ベビー・シッターなどを利用することも可能だが、抵抗を覚える日本人は多い。教会のこのようなボランティア・サービスは、海外在住の外国人に利用されるケースが多く、私たち日本人にとってもとてもありがたいと思う。
子供がいったいどれくらいの情報をテレビから得ているかは正確に知ることはできない。しかし、教えもしない英語の言葉を話すようになったりする事からすると、かなりの情報を取り込んでいる様に見える。日本人が1日にTVを見る時間の平均はおそらく3時間程度であったと思うが、すでに立派な生活環境の一部になっているといえる。このTVから受ける情報が子供の心の成長に影響しないわけがない。TVから受ける情報は、単に言葉にとどまらず、行動のパターンにまで影響する。
この点の認識は、アメリカではかなり進んでいる。アメリカの幼児向けのTV番組を見ていて気が付くのは、人が人を殴る、または蹴る暴力シーンがほとんどないことである。まれにそういうシーンを見ることがあるが、大抵は日本で作られたアニメである。日本の子供向けアニメと言えば、主人公に敵対する相手がいて、必ず戦いがある。幼児に人気のアンパンマンでさえ、この紋切り型の構図は崩れることはない。
子供が見るのは何も子供向けの番組だけでは無いので、大人向けの番組には警告が必ず付いてくる。「こどもに相応しくない内容がある」が、最終的に見せるかどうかを判断するのは親であるあなたの責任、と言うわけである。暴力シーンより厳しい規制を受けるのは、女性の裸の映像である。これは、日常のTVでは見ることは不可能と言って良い。
このように、少なくともTVにおいては、創る側の表現の自由は制限されている。日本のTVに慣れたものからすると、当初、アメリカの基準は不思議な気がした。しかし、この基準に慣れると今度は、日本の現状がきわめて常識外れで、子供の成長にとっては有害な気がしてくる。日本のTVによって作られる生活環境のなかで育った子供達が、何を常識とする大人になるのか、このことを想像することはたやすいことのはずだ。
ケーブル・TV
TVと言えば、ケーブルと言いたいくらい、ケーブル・テレビは普及している。TV自体に受信装置があらかじめ付いているので、TVを買った後は、ケーブル会社に電話して契約するだけでよい。一月、約30ドルで約50チャンネルの放送を楽しめる。もちろん、アンテナによる受信が可能な放送もあるが、チャンネルはせいぜい数チャンネルに限られる。最近では、いわゆるTV番組以外に、ゲームなどのサービス、将来的にはインターネットの利用も可能になるとか。また、電話業務も始めるという話も伝わってくる。{図はワーナー・ケーブル
(H.P; Time
Warner Cable of Maine )のチャンネル案内}
番組の編成
TV番組の構成は、日本のそれとはかけ離れた感じを受ける。映画、スポーツ、サイエンス・フィクション、ミュージック、ニュース、天気予報、子供の番組、アニメ・漫画、通販、ホーム&ガーデン、トラベル、インターナショナル、自然とドキュメンタリー、などなど、専門のチャンネルがあり一日中そればかりやっている。それ以外のチャンネルは、映画、コメディー・ショー、ニュース、ドラマ(ソープ・オペラ)、トーク・ショー(日本で言うバラエティー番組に近い)、クイズ・ショー、ニュースなどを混ぜた形で放送しているが、どれかのタイプが特別に目立つと言うわけではなく、きわめてバランスよい番組編成という感じを受ける。ちなみに、日本のワイドショーに当たる番組はない。
番組の質
日本のと比べると、番組の質ははるかに高い。ドラマなどは、よく練られたストーリーはもちろん、お金がかかっていそうなセットを楽しむだけで価値がありそう。この傾向は、子供のアニメ、ドキュメンタリー、サイエンス・フィクションなど一貫している。よく再放送されるが、繰り返し放送しても耐えるものを作っているという印象を受ける。もし、1社あたりの年間の番組作成本数を日本のものと比較するとはるかに少ないのではないかと思う。視聴率など気にしていないのかもしれない。日本との違いが何か議論できるほど事情は知らないが、いずれにせよ視聴者に質の高い放送を提供する結果になっている。
幼児向け番組
日本で見かける幼児向け番組の定番といえば、「おかあさんといっしょ」「ポンキッキ」などで、歌、踊り、体操が、主たる内容のようである。必ず、幼児に人気となるキャラクターがいて、歌のおねーさんたちが番組の進行役をつとめる。これはこれで、日本語に接する良い機会になる。これらの番組のビデオを取り寄せ、子供達に見せていた。
ところが、すぐに飽きて見なくなってしまった。代わりにこちらの幼児向け番組を熱心に見始めた。どうやら、子供達には日本の番組より、こちらの方が魅力的であるようだ。ちなみに、子供達の言葉の発達の度合いは、日本語、英語で大差はない。さて、両者の違いは何か? ふと考えてみると、大きな違いがあった。こちらの番組には「お話」があるが、日本のそれには「お話」が乏しい。歌や踊りをいくらかき集めても、「お話」にはならない。どうやら、子供達が選んだのは、番組の中にある「お話」だったらしい。お話といっても、日本でありがちな、水戸黄門ばりの紋切り型ではない。子供達のお気に入りの番組のひとつでは、優しい絵と音楽、そして、ほんわかした物語を楽しめる。いわゆる童話だが、いつのまにか、親の我々も見入っていた。
さて、日本のもので子供が気に入りそうな物は無いかと探したところ見つかった。「日本むかしばなし」は、子供達が好んでくりかえしみた、例外的な日本の番組だった。確かに「昔話」には、「お話」がある。「おかあさんといっしょ」「ポンキッキ」よりは、「お話」になる。では、この子達が本当に「お話」を理解しているかは、確かに疑問ではある。どうやら一度で、理解できるわけでは無いことは、確からしい。何故かと言えば、くり返しくり返しみても、飽きていない。
こちらで人気の日本産の子供番組のひとつに「パワーレンジャー」というのがある。我々にはなつかしい「ゴレンジャー」の、アメリカ版。アメリカ版というのにはわけがある。なぜなら、戦いのシーンはそのままだが、子供版の水戸黄門が、立派な高校生の物語に書き換えられているから。つまり、ストーリーのある番組になって、受け入れられている。というより、「お話」がなければ、受け入れられない。